アラフォーおっさんの資格法律日記

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最高裁が出した一票の格差に関する判決について

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こんばんは、

昨日こんな判例が出されましたね。

「一票の格差」が最大4・77倍だった昨年7月の参院選違憲だとして、2つの弁護士グループが選挙無効を求めた計16件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は26日、「投票価値の不均衡は著しい不平等状態にあったが、選挙までに改正できなかったことが国会の裁量権の限界を超えるとはいえない」として「違憲状態」と判断した。選挙無効の訴えは退けたが、都道府県を選挙区単位とする現行方式を見直し、違憲状態を速やかに解消するよう求めた。

産経新聞11月25日配信記事より

これはどんなことかというと、

原告が、

「去年あった参議院選挙で、選挙区によって1票の価値が違うから、

憲法が保障する法の下の平等に反して違憲であるから選挙は無効だ」と主張したのに対して、

最高裁

「投票価値については不平等状態にあったけど、

まあ国会にも裁量があってその範囲内だから無効にする必要は無し」と判断したのです。

但し同時に最高裁は、

違憲状態だから早く是正しろや」とも言っていますで、

原告側も敗訴したのに一応納得表情をしているのです。

では1票の格差があるとどんな点が問題なんでしょうか。

例えば定数1人のA県とB県があって、

A県で当選した人の票数が10だったのに対して、

B県で当選した人の票数は60でした。

つまりB県で当選するにはA県で当選する6倍の票が必要になるのです。

また逆に見てみると、B県がA県と同じ10票で1人当選できるとするならば、

B県では6人当選することができます。

そうするとそれだけB県の代表を国会に送り込めますから、

それだけ地元に利益を還元できるのです

(まあ、国会議員は地元の代表でなく日本の代表と建前上なっているので、

こういう考えは本当はいけないのですけど)。

だから現状ではB県が損しているということになります。

まあ参議院の場合、

県単位の選挙区の人数調整をしても、

人口格差が激しすぎてもう無理な感じがします。

ちょっと前、複数の県で合区を作る案が出ていましたが、

あれがベターな案だと個人的には思います。

でも結局、議員先生たちの反対意見で潰されてしまいました。

だいたい選挙制度は国会議員の利害に関係してきますから、

国会議員が選挙制度に決める現行の制度だと絶対に上手く行きません。

会社法のでは、

利益相反関係にある取締役は役会決議に参加できないように規定しているのですから、

国会議員も選挙制度に関することに口出しできないようにするべきではないでしょうか?

個人的にはそう思います。

まあ、国会議員以外の者が選挙制度を決めるなら、

その人選をどうするのかでまたいろいろ揉めそうな感じがしますけど・・・